mixiの成長をalexaで語るとなぜダメかについての簡単な考察
alexa好きです。でも、あえて言うなら、こんなものjwordですって。
最近、2〜3年前に比べて、alexaへの言及が増えている。と思う。アルファブロガーさんが広めたおかげもある。サイトの動向調査のために言及している例が増えてきたというのはもちろん、ちらほらプロモーションのために意図的に利用して例も見受けられる。
僕自身はalexa大好きで、いつも見てます。しかし、いい加減、もうalexaについてみなさん真面目に考えましょうよと思った。なんかもうalexaウォッチャーの最近のバカっぷりたら、ほほえましくてしょうがない。
先に結論
- alexaのある程度正しい用い方;
・爆発的な(指数関数的な)立ち上がりをしているサービスを眺める。
・ある程度の規模のサイト(10000位以上1000位以下)の、定点観測をする。
・競合サービスとの比較をする。
- alexaの誤った用い方;
・100,000位以下のサイトの順位に一喜一憂する。
・1000位くらいのサイトの順位に真剣に悩む。
・10位くらいにorkutとか入って驚く。
・alexaに現れていないサイトにだめ出しする。
- alexaの誤っていないが香ばしい使い方
・ツールバーをアフィリっぽく使う。
推論のための前提
・多分、ブラジルのインターネットユーザーは増加し続けている。(google brazilを例に)
・多分、中国のインターネットユーザーも増加し続けている。(baidu等を例に)
・多分、たしか、日本のインターネットユーザーは、増えている。少なくとも減ってない。(yahoo等を例に)
推論
前提を念頭に置きつつ、alexaでリーチを調べる。
まず、ここを見る。
http://traffic.alexa.com/graph?c=1&f=555555&u=www.google.com.br&u=&u=&u=&u=&r=3y&y=r&z=1&h=300&w=500
多分言えること
・インターネットユーザーの伸びとalexaユーザーの伸びは、サイトの規模がある程度以上になると相関がなくなる。
・サイトがどんなに頑張るかに関わらず、別の何らかの要因で数字は変動する。
・サイトがある程度(およそ100位以内)になると、数字は停滞している。
特に、サイトのユーザーがある程度の規模になると、言ってみればボラティリティが小さくなると考えるのが普通だろう。しかし、3番目の図を見ると、これではまるで新興市場の株価みたいである。ヤフーjapanのリーチが短期間でこれほど変動するわけがないし、しかも変動するとしても、他のサイト(楽天など)と動きがシンクロするはずがない。
とすれば、日本大停電とかマクロ的な要因を疑ってみることもできるが、これほど動きがシンクロしていると言うことは、もう少しalexa内部のロジックの問題を考えてみた方がいいだろう。2004年の秋なんて、非常に微妙。
で、要するに、まあ控えめに見積もっても、
・他のポータル系のサイトがこれほど停滞している中でのmixiのこの推移を見ると、少なくともmixiはalexa上ではダメである、という推論が成り立たない
・alexaユーザーが、インターネットユーザーを代表していないので、推論自体の意味がない。
ということになるんではないでしょうか。
予測される背景
いくつか上げる。
・alexaユーザーがアーリーアダプターとシンクロする。
・amazonとIEに関する特定のマーケティング活動に左右される。
あと、今後はこれ一番大事かも。
・携帯に対応していない。
で、あと、アフィリエートっぽく使っている人、結構います。
この行為自体は大した効果もなかろうと思えるので、ほほえましい光景と思ってみているのだが、そのやっている人の周囲がそのまま受け入れちゃっているのは、なんか愚かなんじゃないかと思えてきたので、一応言っておきたい。
n=1ですが、200,000位くらいの時に、集中してalexaツールバーを使うと、順位が簡単に変動する。10000位くらいはすぐに動きます。なので、そのサイトで、「alexaで今○○○位ですー。みんなもalexaツールバー使ってみてください!」とかやると、効果抜群。
実際、alexaをプロモーションのために使うグループが出現していますし、まあ、これはもう客観的な調査ツールとしては、末期的だな。と思う。
ネットワークビジネス、自己啓発、いわゆるそっち系の人たちにとっては、あれです、アマゾンのあれと同じね。「○○ジャンルでamazonで1位を獲得!」というのと同じ使い方。
人為的操作に対して脆弱すぎるのです。
ということで、そこそこ割り引いて、使えば、使えないことはないですが、
ある程度有意に比較できるのは、そのサービスが爆発的な(指数関数的な)立ち上がりをしている場合か、成長過程にあるサイトの定点観測をする場合か、同じジャンルのサービスの動きを比較する場合、などでしょう。
積極的に意味を見出そうとすると馬鹿を見ることになるので、alexa云々でエントリーがあっても真剣に受け止めずに受け流すのがよいと思われます。